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まぶたを透けて赤い光が瞳に映る
目を閉じているのに眩しさを感じ、手探りで掴んだシーツを頭にかぶる
もう一眠りと意識を手放そうとした瞬間
まだ寝ている自分を起こそうとするかのように、
ダダダダ、と
階段をかけ下りる音が聞こえた
下の階で話し声が聞こえ、
またダンダンダン、と
今度は階段を上がってくる音が聞こえる
その足音は自分の部屋の前で止まり
ガチャっと自分の部屋の扉が開けられた
そこから無遠慮に入ってきたのは、
最近生意気な口を利くようになってきた
オレの弟だった、
昔は母親似でかわいかったが、
成長期に入り背が伸び
まだ面影は残るが大分大人びた顔つきをするようになった
オレの昔の写真を見て
似てきたわねえ、
と母が呟くのを聞いたことがある
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