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「あー、確かに急に冷えてきましたよね。やっぱ冬なんすねー。で、今度はいくらっすか?」
「10万。税抜きで」
「おお……また凄いモノを」
「稀少なカシミヤで作ってあるのと、後はやっぱブランド力だね」
「目標は確か全身10万以上のモノを身につけるでしたっけ」
「そうそう」
お互い白くなった息を吐きだした。
少し間が空いて、ホームのアナウンスが響くとプオーの甲高い音と共に電車が滑りこむ。
僕達が乗りこむと再び甲高い音を鳴らし電車は動きだした。
「にしてもそんなバイト代を急いで交換してたら貯金できないんじゃ……貯金してます?」
僕はその言葉にドヤ顔で。
「してない!」
「ドヤるとこじゃねぇ!?」
そんな掛け合いにお互い笑いあって、その日の夜は過ぎていった。
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