プロローグ

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プロローグ

この世界には男女の性別だけでなく、α、β、Ω の性種がある。 人口が一番多いのはβで、次にΩ、一番少ないのがαである。 αは優れた身体能力と知能の高さで社会的地位が高く、βとΩは彼らを畏怖と尊敬の対象として見ていたが、αと(つが)えるのはΩのみであった。 Ωは責務の為に乾いてひび割れるαの心を潤し、癒す。そうしながら、ただ一人のαを支え、求め続ける。 α は魅了される。強く匂い立つΩのフェロモンに。 α は惹かれる。弱く儚い守るべきΩの存在に。 αにとってΩは、自分の欠けた一部であり、自分を満たしてくれる愛すべき唯一無二の存在である。 αはΩを求める、自分だけを必要としてくれるΩを。 一方、αを惹き付けるフェロモンを持たず、αのフェロモンを感じることもできないβは、αの子を宿すための子宮さえも持っていなかった。 (つがい)の理から外れたβはβ同士で恋愛を行い、αやΩの恋愛対象になることも、その逆も難しく、αとβの恋愛の可能性は限りなくゼロに近かった。
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