αの純愛

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αの純愛

君をこの腕に抱き続けて、何時間経っただろう…… Ωの君は、無意識の色香で僕を誘い、煽り、高め、積極的に何度も僕を求めて啼いてくれた βの君は、初々しさを纏い、可愛い恥じらいを見せながらも、健気に僕の欲望を受け入れてくれた 何度口に出しても伝えきれない僕の思いを、受け止めるかように…… 体を拭き清め、肌を合わせて寄り添う今、僕は君の白い項に付けた噛み跡に舌を這わせていた。痛々しい噛み跡を消すために。 稀少種αの唾液には細胞活性化作用があり、傷を治すことができる。僕の力のひとつだ。 君は項を舐められながらぐったりと僕に寄りかかり「もう……壊れちゃうかと思ったよ」なんて可愛い文句を言いながら口を尖らせている。 「ごめんね、止めてあげられなくて」 せめてもと、労る気持ちで腰を撫でると、僅かに体を震わせ「もうっ」と可愛く睨まれた。 「こんな風にお客さまにも簡単に触るの?ホストを続けるなら、もうあなたとは会わないよ。僕は嫉妬深くて焼きもちやきの、面倒くさい平凡なβなんだから」 平凡って……自覚がないのは困りものだね 「僕はホストじゃないよ」 「え?どういうこと?」 「ん?僕の悪友がこの店のオーナーで、僕は君との接点を作りたくて、オーナーに頼んでホストのふりをしただけだよ」 ポカンとした顔が、可愛らしく首を傾ける 「僕?」 「この店に通う《花ちゃん》を止めに何度か店の前まで来てたでしょう?」 「うん……よく知ってるね?」 「ああ、僕の自宅件仕事場はここの近くなんだよ。覚えてるかな?一度君とぶつかったことがあるんだけど。あれは、運命、だったのかな……」 「ぶつかった、の……?でも、αの運命はΩでしょ?僕は違うよ?」 「《運命の番》のこと?あんなものは呪いだよ。僕には必要ない」 「……呪い?」 《αの運命はΩ》なんて、誰が決めた?僕の望まない運命なんて呪いだろ。 僕の心が、身体が求める人こそ、僕の本物の運命だ。
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