6人が本棚に入れています
本棚に追加
しばらくして、私は、携帯のゲームサイトに、はまった。初めは、純粋にゲームを楽しむためだった。しかし、次第に、そのバーチャルなゲームサイトの世界にはまり、仲間を集めたり、友達を作ったりするようになった。
そして、そこで恋に落ちた。
でも、今度ばかりは、会うことはしなかった。というより、遠くて会えなかった。メールのやりとりだけ。夢中になった。
また、相手も上手かった。ロマンチックで、大人で、言葉ひとつひとつに引き込まれた。
本当に夢のようだった。
顔の見えない相手に、どんどん引き込まれた。
しかし、それもつかの間、女が邪魔に入った。私は、完全に嫉妬した。そして、怒った。
バーチャルな世界の中で、恋をして狂った。
何もかも、壊してしまった。
これまでの友達関係も。
もう、彼との関係に修復は、できなかった。
私は、あきらめた。そして、ゲームもやめた。
サイトは、一年位、放置した。ひさしぶりに開いた時、たくさんのメールが届いてた。
その中に、うっかり、その思いに気づかなかった大切な他の男の友達がいた。いつも、ゲームイベントで、支えてくれてた人だった。大人過ぎて、その思いに気がつかなかった。
そのメールを読んだ時は、すでに、彼は退会していた。名前は、「黒刃」さん。
私は、本当に、何もかも失ってしまったのである。
私も退会した。
そして、思った。
「もう、二度と、いや三度と、バーチャルな世界に溺れない」
「バーチャルでも、現実でも、恋はしない」
「このまま、独りでいよう」
そう固く決心した。
最初のコメントを投稿しよう!