第二章 原因

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「あれ、真紀お昼そんだけ?」 翌日のお昼。 食堂はまだ混んでおらず、すぐに席がとれた。 「うん。太らないようにしなきゃ」 向かいに座る真紀のお弁当箱は幼稚園児が使うやつみたいに小さい。幼い柄のフタを開けると、中にはブロッコリーやキャベツにトマト、ふりかけご飯がバランス良く詰められていた。野菜が占める割合が多めで、安易に炭水化物を抜いただけだったりしないあたりがきちんとしている。中学の頃から給食を減らしたりしてたけど、高校ではお弁当か。 「偉いね!絶対効果あるよ」 一方あたしはプラス百円の食券で大盛にした牛丼だ。ここの学食はおいしいと有名で、チア部に次ぐ秘めた志望理由でもある。 真紀はダイエットを理由に不機嫌になったりしない。気にせず向かいにトレーを置き、食事を始めた。
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