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『…っ…。』
どうして?何で?って
聞きたいことは山ほどあるのに。
どうやら私の声はもう彼には届かない。
『…俺、気付いたんだ。
本当に俺にとっての大事な人が誰なのか。』
もう、聞きたくない。
続きがどれほど残酷な台詞なのか…。
予想するだけで目眩がする。
『仕事で失敗して落ち込んでる時も、
…親が入院して大変だった時も、
側に居て支えてくれたのは夏海だった……。』
彼の横に立っている彼女は、
小さくて弱々しくて可愛くて。
私とは何もかもの作りが違う。
彼女なら、きっと彼の前で泣けるだろうし…
素直に可愛く甘えられたりするんだろうな…。
こんな時にこんな事を自覚出来る何て、
私はどんだけ情けない馬鹿女何だろう。
" 元 "親友と、" 元 " 彼は……。
そんな私に気付く事もなく――。
夕暮れの2人の影がゆっくりと重なる。
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