3人が本棚に入れています
本棚に追加
『……俺は夏海を幸せにしたい。』
それは、もう…。
私に話してる様で彼女にかけた愛の言葉だった。
『…ごめんな、美桜。
お前なら他の男でも幸せになれるよ…。』
そんなのって
まるで私は誰でも良いみたいじゃんか。
どんな言葉を紡ごうと、
もう彼を繋ぎ止めることは出来ない。
どう足掻いたって勝ち目なんかあるわけない。
そんな事はもうこの年月で知っている…。
私が見てきた彼は真っ直ぐな人だった。
嘘が付けない、優しい人だった。
夏海は…。
可愛くて面倒見が良くて。
一生懸命で、何事も人一倍努力家で。
どう見たって慶太に、
お似合いなのは夏海に決まってる……。
だけど……。
『私だって…っ！
私だって、慶太じゃなきゃ駄目だよ…！』
最初のコメントを投稿しよう！