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私はやっぱり情けなくて駄目な女にしかなれない。
清く身を引いて、
……2人の幸せを願える程イイ女にはなれない。
『…ごめんな。
俺が夏海じゃなきゃ、駄目なんだ。』
ほら、勝ち目なんかあるわけない。
こんなに、すぐ側に居るのに。
その大好きだった腕が
私じゃない誰かを優しく包み込んでて―――。
チャリンと音を立てて
私と慶太の愛がアスファルトに転がり落ちた。
『お幸せに…!…さ、よなら…っ。』
夕焼けに反射してキラキラ輝くリングに、
私達の最後の結末と2年分の思い出を捨てて。
私は私の人生をまた歩かなくちゃいけない。
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