輝きもいつかは

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「結構いい写真撮れたんだよね」 「そう、ですか」  少し間ができる。たぶん、このまま女性の方が「じゃあ」と言って去っていくのだろうと思っていた。 「映画?」 「はい?」 「撮影。映画?」  だから、いきなりそう訊かれた時、うまく反応できずに、「はい」と間の抜けた声で返してしまった。 「そっかそっか」  女性は嬉しそうに笑うと、僕の隣に腰掛ける。女性とこんな距離で並んだことがないので、僕は慌ててしまった。 「なんでわかったんです、映画撮ってるの」 「うん? よく図書館で映画関連の本探してるの見かけてたから。私もよく行くんだよねあそこ」 「そうですか」 「ん? なにか纏ってるものがあったんじゃないかみたいな期待しちゃった?」 「そんなんじゃないですよ。というか、あなたも、それ」  僕はカメラを指さす。 「ああ、一応写真部なんだよ。撮った写真で、写真甲子園本戦にも行ったことあるんだよ」 「写真にも甲子園なんてあるんですか」 「あるよ。全国高等学校写真選手権っていうんだけど」 「すごいですね」 「君は?」 「僕?」 「うん。君は撮ったものを何かに送ったりとかしないの? それか、誰かに観てもらって感想もらったりとか」 「どうなんだろう。よくわかんなくなってきました」     
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