妬きもち、それぞれの形

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「俺達と違って、ノーマルだろうからさ、男の身体なんて、ましてや俺みたいにデカイと…やっぱ退くよね?触れたいなんて、思わないよね…。 俺は肩がぶつかるだけで、心臓バクバクしてんだけどな…。」 手塚君との距離に悩み、吐露した悠真の本音。 触れたい、触れられたいと思いながら、戸惑い、立ち止まったまま。一歩の勇気が出ないと、そんな話を何度も聞いていた。 手塚君の様子を気にかけていると、大介さんもそれに気付いて身を乗り出した。 「やったね、先制点。 凄いはしゃぎっぷりだな。バスケの時はハイタッチ程度だったよね?」 「そうですね。あんな風に…抱きついたりは…無いこともないですけど。」 「妬ける?」 「そりゃ…まぁ。そうでしょう? 俺、心狭いですかね。これくらいで。」 「いいんじゃないの? 俺なんて、章太郎の隣に立ってるってだけで、そいつに妬きもちやくし。」 大介さんの極端な例えに、手塚君の頬も弛んだ。 試合は、お互いに攻めるものの、ゴレイロの活躍もあって、得点には繋がらず、ジリジリと時間だけが過ぎて行った。 コートも狭く、スピードがある分、どうしたって相手との距離は近くなる。 怪我するんじゃないかと思うような、激しい競り合いも何度もあった。 その度に手塚君は、拳を握りしめ、唇を噛んでいた。 見慣れない真剣な表情の悠真は、大きな身体がいつも以上に大きく見える。 試合は、残り時間3分を切ったところで、同点に追い付かれた。
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