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後半開始早々に、相手チームに得点が入った。
１点を追う展開。目まぐるしく代わる攻防。
息遣いまで聞こえそうな、緊迫した空気。
俺たちは、試合にのめり込んだ。
「なんだか…悠真が悠真じゃないみたいだ。」
俺の呟きに反応したのは、手塚君だった。
「あの真剣な表情…。ゾクゾクしますよね。
練習中も、結構こんな感じなんですよ。
すごく、好きなんだろうな…フットサルが。
夢中になってたり、楽しそうにしてる姿に惹かれたんです。
フットサルから離れた時の柔らかい表情とか、意外と色っぽい顔する所とか。
そのギャップもまた、良いんですけどね。」
微笑みながら、自然にノロケている事に、本人も気付いていない。
悠真が危惧していたような、好きの方向が違うなんて無さそうに思えた。
だって、何気なく手塚君が口にした一言は、充分過ぎるくらい、悠真を求めてると思うから。
「あぁ、まただ…。わざとじゃないってわかってても…イラつくんだよな…。
あれ、触りすぎじゃないですか？」
悠真をガードする相手に、あからさまな敵対心を向ける。
なんだか微笑ましくて、笑ってしまう。
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