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――ウォーライフはシューティングアクションバーチャルリアリティーゲームである。
俺【龍熊二谷(タツクマフタヤ)】はウォーライフというゲームで日本人最強となった。勝率9割以上は世界に数百人しか居ない。俺もそこの仲間入りした訳だ。プレイヤーは国内で450万人程でバーチャルリアリティーゲームにしては流行ってる方だ。
何より俺がこのゲームにのめり込むのは賞金が出るからだ。
――約15年前の夜。
「ただいま~」
父が仕事から帰ってきた。俺はワクワクしてる。なぜなら今日は俺の誕生日だからだ。おそらくゲーム機を買ってきたに違いない。おねだりしたから。
父が子供部屋に来た。
「お父さん、お帰り」
「ほら、約束の物」
黄色いボディーにジョイスティック……。って、あれ? 箱がない。
「三兄弟で仲良く遊ぶんだぞ」と、そのゲームを渡された。
「わーい」
兄と弟ははしゃいでるが、俺は冷静だった。
「これリサイクルショップで買ったの?」
「えっ、あっ、新品だよ。今日はもう寝なさい!」
父は居間の方へ行ってしまった。
ゲーム機の裏に書いてある【タケシ】って誰だよ?
「建谷(ケンヤ)兄ちゃん、これはどう見ても中古だよね?」
「壊れてなきゃ別にいいじゃん。点けてみよう」
兄はテレビに端子を付ける。
画面を観ると【ブロック崩し~フォー・ユー~】と出た。
「これってブロック崩ししか出来ないの!?」
「しー! 声がデカイ。……どうやら、そのようだな。明日から遊ぼうぜ」
――次の日の朝、俺は起きたら、兄がすでにゲームをしていた。
「ズルい!」
「起こしちゃった? もう飽きたからやっていいよ」
「なんだよ、全く……」
俺は布団から出て、いよいよゲーム開始。
スタートボタンを押して、ピコン。玉が発射される。あれ? 右いっぱいにスティックを倒してるのに台が動かない。
「壊したな!?」
「俺がやってた時はちゃんと動いてたよ」
「責任取ってよ!」
「元々、中古だ。仕方ないさ」
「そんな~!」
「1回、電源を落としてみろ。直るかもよ?」
「ほんとに?」
兄がコンセントからプラグを抜き、また挿す。
すると、スティックの通りに台が動く。
「良かった~」
「じゃあ学校に行くから。また故障したら、さっきと同じ事をすればいいよ」
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