第1章(狂った連中)

3/13
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/51ページ
――しばらく熱中してると、母が部屋に入ってきた。 「保育園に行く時間よ。用意して」 「今日は休む」 「何バカな事を言ってるの! ゲームがしたいだけでしょ!?」  カチッ。ゲーム機のスイッチをオフにされる。 「あ”ー!」 「さっさと、ご飯を食べなさい」 「……ネグレクト」 「なんですって!? もう一度言ってみなさい!」 「……キチガイ」 「そういう言葉ばっかり覚えて! もう知らないわよ!」 「ほんとの事じゃん」  それから1日もブロック崩しを続けて、気が付いたら朝だった。  居間に行くと両親が口論をしていた。 「アナタがあんな物を買ってくるから、二谷はおかしくなったのよ!?」 「お前の教育がなってないだけだ!」 「こうなったら“先生”にお願いするわ!」 「先生ってただの霊媒師じゃないか! またあんな霊感商法に騙されに行くのか!?」 「もう! 煩いなー!」 「二谷……いつから聞いてたの?」 「どうでもいい。腹が減った」 「二谷、よく聞いてくれ。建谷と一緒に柔道クラブに行かないか? そしたら、好きなだけゲームをしていいから」 「ほんとに!? 行く行く!」 「アナタ!」 「良いじゃないか、ゲーム以外に熱中出来るものがあるのは」
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!