第1章(狂った連中)

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――それから土曜日の19時から21時は柔道クラブの時間になった。しかし、観たいアニメも観れず、ゲーム機は母親が管理して満足に出来なかった。  俺は腹が痛いと言ってサボろうとするが、トイレに逃げ込んでも、「早く出てきなさい! 先生を待たせちゃ悪いわ」と言って30分粘っても親は待ち構えていた。これが世間体を気にするってやつか。  サボらしてくれた日には泣いて喜んだ。兄の携帯ゲームを涙を流しながらプレイした。この幸福感は何事にも変えがたいものだった。  何度も柔道クラブを辞めたいと訴えたが、「自分で決めた事は最後までやり通さないとダメだ」と、両親は意味不明な持論を展開させる。  子供心に思った。両親は親失格だと。 ――俺は小学生になると下級生をいじめるようになる。エアガンで顔を撃ったり、トイレに閉じ込めて打ち上げ花火に火を着けて投げ込んだり、ストレス発散しないと自分が壊れそうだった。  弟は柔道をやらない。だから、包丁で刺してやろうとした。  未遂で終わったが、両親は俺を責め立てる。人格否定されてるだけにしか思わなかった。  1つ年下の幼馴染み、伊藤翔と翔の家でテレビゲームをするのが精神安定剤だった。  翔にはハンデを貰わないと勝てない。  負けると悔しいが、負ける理由を考える。解らない。
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