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「弥生、黄泉遊びで検索かけてみてくれ。」
「わかったわ。」
「雷、どうかしたか?」
「ううん。ねぇ、嘉月。さっきの話信じてる?」
「あぁ、俺はそういうの信じてるよ。俺らが生きてるこの世界には裏と表がある。光と闇があるように。生きている人間も死んでいる者もいる。ただ、視えていないだけで。意外か?」
「じゃあ、もし幽霊が視える人がいたら嘉月は嫌いにならない?気味悪くない?」
「あたり前だろ。逆に俺には視えないものが視えてるわけだしすげぇなって思うな。」
「よかった…。私、視えるの。」
「は!?」
「え、雷って視える子だったの?」
「うん。」
「へぇ、いつから?」
「生まれつき。おばあちゃんの血筋が陰陽師だった。私も一応陰陽師としていろいろ教わった。」
「陰陽師…お前、すごい家に生まれたんだな。」
「嫌わない?」
「嫌わないわよ!驚いたけど。」
「俺も。ちなみにこの部屋にはいないのか?」
「うん。だからずっとここにいれる。ホテルとかにいても霊がいるから…」
「ったく、こんなやつらに話さなくてもいいじゃねぇか。雷!」
「…俺の間違いか?今、闇が喋ったような。」
「聞き間違いじゃねぇよ!俺様は喋れるんだよ!雷の先祖に封じられてからまぁいろいろあって雷の婆さんに育ててもらったし恩もあるからな。雷を面倒見てんだ。」
「う、うそだろ。」
「何よ!最初から話してくれればいいのに!きゃっ、かわいい!」
「闇、二人には話しておきたかったから。」
「わかったよ!ったく。」
「頭、パンクしそう。もっとかわいいやつがよかった。こんな可愛い顔してんのに声が ガラガラじゃねぇか!某人気アニメサ〇エさんに出てくる坊主頭の子のことが好きな花〇さんみたいじゃねぇか!」
「うちのおばあちゃんも同じこと言ってた。」
「うるせぇな!お前ら俺を怒らせるなよ?」
「雷、こいつ何かできるのか?」
「全然。」
「本当にかわいいわ!」
「お、おい!やめろ!抱き着くな!」
「いやん。かわいすぎ!チュッ」
「た、たすけてくれー!」
弥生の細いながらにきちんと筋肉のある腕の中に閉じ込められ、キスをされ闇は撃沈した。
「闇、魂が抜けた。」
「まぁいいや。お前らのことはわかったから。俺は、気持ち悪いなんて思ったりしないからな。」
「うん。」
雷はその言葉を聞いて安心したように微笑んだ。
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