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CASE3 藤なおみ
「なおみ、大丈夫?」
「う、うん…」
「明日は学校来れそう?」
「ごめん。まだ無理かな。」
「わかった。ちゃんとご飯食べなよ。」
「ありがとう、早苗。」
私の名前は藤なおみ
高校2年生
2週間前にたった1人の家族である母親を交通事故で亡くした。
その悲しみから立ち直ることが出来ず、学校も休んでいる。
母は私がまだ3歳の時に父を病気で亡くし女手一つで育ててくれた。
優しくて、頑張り屋の母が大好きだった。
父親がいないことをみんなは可哀想だと言ったけど母がいてくれるだけで私は幸せだった。
親友の早苗が毎日様子を見に来てくれている。
早苗はうちの母とも仲良しで母が死んだと聞いたときは一緒に泣いてくれた。
早苗が帰って家に入ると、優しく笑っていた母はもういない。
そんな現実がどうしようもなく辛くてまた涙が流れた。
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