がっこう

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校門を出ると、南天さんがお迎えに来てくれていた。 私たちは後部座席に乗り、自転車に跨る稀人二人に手を振る。 「玉彦はいつも車通学なの?」 「いや、自転車だ。お前がいる間だけ車だ」 「玉彦って……」 「乗れる」 玉彦が自転車に乗るって、想像するだけでも面白い。 正武家という特殊な環境を除けば、普通の高二男子なんだなぁ。 「お前、部活はどうするのだ」 「入らなきゃダメなの?」 短期間だし問題解決していないし、部活だなんて悠長なことをしていてもいいのかな。 運動部は大会とかにも出られないし、大人しく文科系の文学部にしておこうかな。 第一希望は帰宅部で、正武家の書庫に籠っていたいけど。
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