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私は中学一年生の夏休みまで、まさかお祖父ちゃんの村がそんなところとは知らず、奇々怪々な出来事はテレビやネットの中の虚構の世界だとばかり思っていた。
お母さんが弟のヒカルの出産の為に入院しなくてはならなくなり、私は夏休みの間だけお祖父ちゃんの家に預けられ、そこで奇々怪々の出来事を経験することになり、信じざるを得なくなった。
そして私は鈴白村で、正武家の惣領息子、玉彦と出逢う。
同い年で、おかっぱ頭の、親友の小町曰く馬鹿みたいに端正な顔をした彼もまた、正武家として不思議な力を持っていた。
ツンデレで古臭い話し方の、寂しがり屋な玉彦は何だかんだと結局私を助けてくれていた。
様々な紆余曲折があり、玉彦とお互いの想う気持ちを確かめ合って夏休みが終わった私は鈴白村を後にする。
それから四年後。
再び夏休みに鈴白村を訪れた高二の私は、またしても奇々怪々な出来事に巻き込まれ、玉彦と世間一般で言う婚約をした。
この時の奇々怪々な出来事は未だ解決されず、私は鈴白を離れられない。
なので正武家当主の玉彦の父である澄彦さんの計らいで、お父さんの許可を取り、私は解決するまで正武家でお世話になることになった。
高校を編入してまで。
神守の血に目覚め始めた私と、正武家の惣領息子の玉彦。
この二人が揃ってまともな学校生活が送れるはずはなかった。
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