がっこう

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夏休み明けは授業はなく、しかも金曜日だったため、また二日間のお休みになる。 私はカバンにペンケースなどを仕舞い込み、大きく溜息をついた。 こんな男子ばかりのクラスでお友達、作れるだろうか。 数少ない二人の女子に視線を向ければ、二人で何かを話している。 私の周りにも居なかったタイプの二人で、多分腐女子的な物を感じる。 あの輪には入っていけない。 「上守さん。面白かったよ」 学生カバンを引っ掛けて、夏服の白シャツが眩しい須藤くんが椅子を引き摺ってきた。 豹馬くんは無理矢理渡辺くんを押しやり、前に座って振り向く。 「よくこのクラスに来ようと思ったな、上守」 豹馬くんの呆れたような言い方に、がっくりと首が項垂れた。 編入試験勉強に付き合っていてくれていた君がそれを言うか。 「玉彦様のごり押しでしょ?」 頷いてごり押しの張本人を見れば、他の男子と帰り支度をしながら楽しそうに会話をしている。 「女子が圧倒的にいないって知らなかった……」 私の言葉に二人は苦笑いする。
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