第4章 修学旅行 前半

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第4章 修学旅行 前半

何だかんだで時が過ぎ、 修学旅行へ行くことになった。 入学式が四月、修学旅行は五月。 少しは早すぎはしないか? 今日は修学旅行一日目。 私の学校は横浜経由東京行きだ。 楽しみは勿論あったが、 何故だか嫌な予感がした。 まあでも、予感だけで休む訳にもいかず、 学校へ向かった。 いつもは制服姿の皆が私服。 なんだか新鮮だ。 そうこうしているうちに 出発の時間になったため駅へ向かった。 さっきまでの気持ちは いつのまにか消え込んで何処かに行っていた。 駅に着くと、何故だか、皆が私を見ている。 転校生だから? いや、それなら、四月中に終わってるものじゃないか? 顔?メイクなんてしてないし、 いつも通り正真正銘自分の顔だ。 なんかついてる? 何もついてはいなかった。 私はこういうのが苦手だった。 面と面を向かって言われた方が そりゃ傷つくが、 それよりも内緒話の方がもっと傷つく。 影で言ってくれる分には構わない。 昔、気にしていた時もあった…気がするが、 そんなのに構っていたら身体が持たない。 正しく、本当に言っていたかなんて 分からないし、 実質的に自分自身の耳に入れたわけじゃない。 だから、一番悪質な『内緒話』が嫌いだ。 私は『裏の表の裏』と書いて 『内緒話』と読む。 意味は『裏で話すことを 相手の聞こえる場所で話して、 裏で話しているフリをする』 一番タチが悪い。 あの、聞こえるか聞こえないかという感じが とても嫌だ。 まぁ、何かは分からない が前へ進もう。 そう気持ちを切り替えた。
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