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第5章 修学旅行 後半
すると、声が聞こえてきた。
「スカート短くない?」
「それな、やばっ!」
えっ?そんな訳ない。
前日、しっかり確認したし、
その子の方をみると私の方をみて笑った。
その子達と同じように悪口を言っていた。
はめられた。
副リーダーだからって
頼りにするんじゃなかった。
もっと、みんなに聞いておくべきだった。
相談する相手を間違えたんだ。
彼女はスカートにするって言ってたし、
おんなじ長さだって言った。
やられた。
この日私は多くの人を敵にした。
彼方此方から私の悪口が聞こえてくる。
すごく気が重い。
こんな形で知名度あげてもな…。
本当に嫌だな。
しかし、一つはっきりとしたことがある。
私は歓迎されてない。
そして、それ以外の人間にも
何も思われていない。
必要なんて思われていない。
今、横で笑ってくれる彼女だって、
結局は自分が大好きで、
やはり最終的には自分を守ってしまう。
しかし、これは本能なんだと思う。
私はそれを肝に銘じた。
でも、もう一つわかったことがある。
それは私を受け入れてくれる存在も
いることだ。
私が気を落としていると、
わざわざ私の元に来てくれて、
話を聴いてくれた。
本当に有り難かった。
彼女は塾が同じでとても優しく、
男女隔てなく仲が良い。
私の憧れだ。
そんな彼女に支えながら
どうにか一日目を終えた。
沢山の嫌がらせをやり過ごし、
もうヘトヘトだ。
その後、何も問題を起こさないよう、
目立たないようをモットーに
残りの二日間を過ごし、
修学旅行は幕を閉じた。
この修学旅行は非常に学ぶことが多かった。
嫌なこと、良かったこと沢山あった。
いつか、私が大きくなったら
笑い話に出来るのかな?でも、私大きくなれるのかな?
でも、私って大人になれるのかな?
身体は大きくなる。
時が過ぎて大人にだってなれる。
だけど、身体や時とは
裏腹に私だけが
取り残されるような気がする。
私って大人になれるかな?
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