Pluie et petits plaisirs

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「そっかぁ、遠足が中止かあ。それは残念だったね」  食べきれなかった遠足用のお菓子を食べながら私はお姉さんに今日の出来事を伝える。  今日だけじゃない、私の人生はいっつも雨なのだ。 「雨音ちゃんは、雨が嫌いなの?」 「うん、大っ嫌い。遠足もなくなるし、なんにも出来ないし。いっそ、晴音(はれね)って名前にしてくれたらよかったのに」 「えー、私は『雨音』ちゃんって名前すごく好きだけどなぁ。うーんそうだね、ちょっと待っててね」  そう言ってお姉さんはクローゼットから何やらごそごそと探し始めた。  あった、と割とすぐに出てきたのは木の棒と大きな布。 「? なにそれ?」 「これはね、こないだの誕生日で友達にもらったんだけど……ほら、こうするの」  お姉さんがテキパキと棒と布を組み立てると、それはあっという間にテントみたいになった。  パステルカラーと動物の模様がお姉さんらしくて可愛い。 「お部屋の中にテントができた……」 「ティピーっていうんだけどね。ほら、お菓子と水筒持ってこっち来て」  言われるがままにお菓子をもってそのテントの中に入る。  お姉さんと2人で入るとぎゅうぎゅうだ。  でもなんか楽しい。
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