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「うーん……? これで、ここを……あ、こうか! できた!」
作り方が書いてある本をお手本に、私がせっせと作ったのはお姉さんのよりだいぶ歪んだ赤いバラ。
それでもまぁ一応お花っぽい形にはなっている。
「あ、できた? うん、上手じゃない!」
「うーん、でもお姉さんの作ったこっちの方がすごく上手」
「私は雨音ちゃんくらいの年からずっと作ってたから。好きなんだよね、バラ。最初は難しくて本見ても分からなくて、お母さんに手伝ってもらったりしたけど、雨音ちゃんは器用だねぇ」
「えへへへ」
褒められたことがすごく嬉しくて私は思わず笑ってしまう。
と、お姉さんの手にあるものに気が付いた。
折り紙の本を借りた時に、『預かってもいいかな』と言われて渡した私の可愛くない長靴。
「あ、そういえばお姉さんは何してたの?」
「実はね――」
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