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「だけど誰と協力すれば……」
「今生きている人間でコンタクトが取れそうな人。それでいてまだ生贄を用意できていない人がいいと思う。さっきのやり取りでヨシノとシロウは生贄を用意したんだろう。ジョーカーを申告したという放送も流れていない。つまり二人はジョーカーを知らないんだ。分からなかったのか探す気が無かったのか」
「アオとは協力出来ない!! だってあいつはリュウを……!」
「ああ、僕も嫌だ。あとあのカナコって子、……協力はしてくれないだろう。残るはサキ。だけど彼女はカナコと組んでいる」
マミコはナルミの言葉にゆっくりと首を振った。
「あの二人は本当の意味では組んでいないと思う」
「どういう事?」
「お互いを信じてない、と思う。部屋じゃなくて校内をうろついていたり、夜に別々の部屋に入るのだって見たわ。それにカナコって子、私は嫌い。二日目の朝に会った時も何か企んでいるように感じた。わざわざ話しかけてくるなんて変よ。印象だけで言うならあの子がサキを利用してる感じ」
「利用か……。ならコンタクトをとるならサキだね。彼女が何かを知っているようには思えないけど」
マミコはナルミの制服の袖を掴んだ。
「ねぇ、あの時嘘を吐かなければこんな事にならなかったのかな……?」
暗い顔で問いかけるマミコにナルミは眉を下げた。それはマミコの心にずっと引っかかっていた質問だった。
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