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どうしてこんな事になっているのか分からない。昨日の生徒達の反応は皆サキと同じように戸惑いや、不安が大半を占めていた様にサキは感じた。自分を含む生徒達は被害者なのだと感じていた。
あの赤髪の担任教師はイカレている。人の死に、しかもあんな残酷な殺し方を見て頬を紅潮させ悦に浸っていたのだ。そんな人間がまともとはサキには到底思えない。
どうして殺し合いをさせられるのかは分からない。ここに連れて来られた理由は、……何となく分かる。どうして? と思う気持ちと半々という所だった。
だがそれを現実として受け入れる事も、説明をする事もサキには出来ない。空想の産物でしかない。こんな非人道的な事をさせることが現実だとは思わないのだ。
「自身の犯した愚かしい行為……」
担任教師は昨日のホームルームと称した異様な空間でそう言っていた。
それは全員がそうであると取れる言い方だった。
「……誰だっけ?」
サキはベッドから立ち上がりテーブルの上のプリントを取った。
椅子に座り、テーブルの引き出しを物色した。レポート用紙とペンを見つけると、先程テーブルの上から取ったプリントを眺めサキは早速紙にペンを走らせた。
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