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アキトの言う通り誰かが先に当ててしまえば、残るは殺し合い。それは誰もが分かっていたが、安易に提案に乗ってチャンスを逃す事も出来ないのだ。
「お、カメラあるな。ズバリ言うけど、ジョーカーはヨシノとコハルだ!」
「はぁ!? なんでヨシノがジョーカーなの!?」
ピンポンパンポーンと軽快なリズムが流れた。校内放送の前に良く聞く音だ。
「只今、ジョーカーの申告がありました。ですが、外れです」
もう一度軽快な音を鳴らし放送は終わった。サキはこういう形で知らせが来るんだ、と心の中で思った。
「はぁ!? 外れ!?」
「ばっかじゃないの! ヨシノがジョーカーな訳ないじゃん!! 大体人の事知りもしないで何なのその根拠!?」
「昨日鉛筆で占ったらそう出たんだよ! んなの十三人の中から的確に二人選ぶなんてできるかよ!」
「マジ馬鹿。付き合ってらんない。もうあんた人を殺すしかないよね? ヨシノの事殺さないでよ? ていうかもう行くし。あんた達も気を付けなよ。こいつ人殺すしか手段ないんだからさぁ」
ヨシノはそう言うと立ち上がりさっさと食堂を出て行った。
ヨシノに次いで三人組も席を立ち、アキトは舌打ちをして席を立った。
残されたのはサキとカナコだけだった。
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