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美術室は一階にあり、入り口は一つだ。入り口から入って右手奥側にはバルコニーがあり、柵さえ飛び越えれば外へと出られる。美術室内には準備室へ繋がる扉があり準備室は校舎裏へ繋がっている。
何処かから誰かが入って来ても逃げる場所は二カ所残されているのだ。提案したのはサキだ。だがこの提案の前に自室を使おうとサキは提案した。それをカナコは断ったのだ。
断った理由は二つ。まだお互いを信じるには至っていないだろうという点。もしも第三者がリタイア覚悟で入って来た場合それを阻止することが出来ない点。部屋には入り口は一つしかなく、窓も格子がはめられている。
第三者、カナコはアキトが馬鹿な行動をとるのではないかと疑っていた。
「さぁ、どうだろう。見つからないようにするには本人の意思が必要だよね? もしかして見つかればゲームオーバーとか?」
「あたしもそう思った。でもさ、それだとちょっとジョーカーの人、分が悪いかなって」
「分が悪い? なんで?」
「こっちは間違った申告をしても何もペナルティはないじゃない? 全員で十三人居て、その内の二人がジョーカー」
「多かったら十一回申告されるって事だね」
「そう。それだったら見つかるより見つける側に居た方が私はいいと思う。そりゃ早い者勝ちだし、ジョーカー以外が生き残る為じゃなくてジョーカーを当てるためだけに結束するとは思えない。だからって確実に自分がジョーカーだとばれない保証はないでしょ? それにジョーカーは絶対に誰か殺さなくちゃいけないよね? ジョーカーを引き受ける理由。例えばそもそもあたし達と状況が違う場合。いわゆる工作員って言うのかな? こんなバカなゲームを主催した側の人間だと思うの。それだとゲームを混乱させて盛り上げられるでしょ? 何が目的かは知らないけど、言い当てられたら困るよね。主催者としては」
「確かに……。でも、殺されるかもしれないってリスクは回避できないよね?」
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