77人が本棚に入れています
本棚に追加
時々,娘がお風呂で歌っていた歌を鼻歌で歌った。
鼻歌を歌うと,大好きなアニメ番組を観ながらオープニングやエンディングで一生懸命踊る娘の姿を思い出し,娘に会いたくなり胸が苦しく押し潰されそうになった。
鼻歌を歌うたびに胸が苦しくなり眩暈も酷くなるので,気が付かないうちに大量の薬を一気に呑んでしまうことがあった。
自分ではコントロールできず,苦しさから解放されたい一心で薬を瓶ごと呑むことが何度かあった。それが悪いことだとはわかっていたが,自分を抑えることができなかった。
薬を呑んでしばらくすると,すべてから解放されるような気がしたが,すぐに主人の暴力とは違う苦しさを病院で味合わなくてはならなかった。
この頃になると自分でも自分が何をしているのか,娘がどこにいるのか,主人がなにを求めているのかわからず,ちょっとしたことでも泣き出し,悲鳴をあげ,すべてから逃れたい気持ちに支配されていった。
最初のコメントを投稿しよう!