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気が付くと娘の洋服を何度も洗濯してしまっていた。
娘の洋服を洗濯してはアイロンをかけ,綺麗に畳んで小さな花がプリントされた子ども用の真っ白な箪笥に丁寧に仕舞っていた。
この作業をしている間は,娘が外に遊びに行っていて,もう少ししたら帰ってくるような気持ちになれた。
すべての洋服が仕舞われると,娘がいなくなった現実が重くのしかかり,何時間も娘の部屋で泣き続けた。
主人が度々文句を言ってきたが,なにを言っているのか理解できず黙っていた。
黙っていると力いっぱい殴られ,倒れると主人の気が済むまで蹴り続けられた。
激しく殴られ暴力で腕を骨折してしまったことがあったが,主人からは怒りと憎しみしか感じられず,そのまま放置された。
私は折れた腕で娘の写真を抱きしめながら,ずっと「ごめんね」「ごめんね」「ごめんね」と繰り返していた。
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