死んだ子の齢を数える - 私が死んだ理由

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娘がいなくなってからというもの,主人の暴力はひどくなる一方だった。 「娘は自分の子どもじゃないのか? 浮気相手の子どもか?」と言いながら,何度も殴られ蹴り続けた。 私はなにも言えず,なにも答えられず,殺してもらおう,娘のところに行こうとぼんやり考えていた。 すべて自業自得だ。 浮気の代償がこれほど大きいとは想像できなかった。 それでも口の中に食べ物を入れてきたり,無理矢理歯を磨いて来たりするので,少しでも抵抗しようと噛みついた。 無駄な抵抗なのはわかっていた。 お風呂に沈められたり,指を折られた。 そして,小さな玩具みたいなペンチで前歯を抜かれた。 自分でも驚くほど簡単に抜けた。次から次へと簡単に歯を抜かれていった。 「殺してください……」 「もう……許してください……」 心の中で何度もお願いをしたが,主人の耳には届かなかった。
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