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娘がいなくなってから警察も捜索を続けてくれたがまったく進展がなく,どこかで酷いことをされていないか,怖いことをされていないか,毎日気がおかしくなる思いで過ごした。
娘が好んで使っていたキャラクターのバスタオルを手にすると,心が押し潰されそうになったが,バスタオルがボロボロになっても目の届くところにないと落ち着かなくなった。
外で子どもたちの声がすると,そこに娘がいるんじゃないかと慌てて家を飛び出した。
娘がどこかで無事に生きていることだけを願い,一日でもはやく帰って来て欲しいと願った。
娘がいなくなってからは食欲もなく,そのため夫に無理矢理食べされられるのが苦痛でストレスだった。
家の中にある娘の玩具を手に取ると,娘が帰ってきたような錯覚をした。
とくに娘のお気に入りだったディスニーキャラのぬいぐるみは,それらを抱きしめると娘を抱きしめているような気持ちになった。
外から聞こえる子どもたちの声や,娘の玩具を片づけるとき,バスタオルが見付からないといった,ちょっとしたことでパニックになり悲鳴をあげるようになった。
自分では抑えることができず,娘がいないこと,主人が強制的に食事を与えてくること,無理矢理歯を磨いてきたり,髪を梳かすこと,すべてがストレスで頭が真っ白になり苦痛で心が張り裂けそうになった。
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