死んだ子の齢を数える - 私が死んだ理由

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娘が使うはずだったピンク色のランドセルを見るたびに抱きしめて泣いた。 私の両親に百貨店で買ってもらったランドセルは,娘もお気に入りで毎日のようにランドセルをしょって部屋中を歩き回り小学校に通うのを楽しみにしていた。 そのランドセルも娘に一度も使われることなく,新品のまま部屋に置いたままだった。 小学校の入学式までには娘は帰ってくるんじゃないかと,根拠のない夢を見ていた。 入学式が過ぎ,小学生たちが集団登校をしている声が聞こえてくると,その中に娘がいないことを思い涙が止まらなくなった。 ランドセルを抱きしめながら,どうして娘がいなくなってしまったのか,誰が娘を連れて行ったのか,娘は無事なのか,悔しさと憎しみと後悔で頭が割れるように痛くなった。 そんなときでも主人が無理矢理食べ物を口に入れてきたり,歯を磨こうとするので,何度も抵抗したが,いつも力ずくで押さえつけられ自由を奪われ,主人のすることを受け入れるしかなかった。 あまりに主人の要求がひどい時は噛み付こうと抵抗したが,その度に何度も殴られ意識が薄れるほど頭をテーブルに打ち付けられた。
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