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死んだ子の齢を数える - 私が死んだ理由
主人と初めて会ったのは,共通の友人を介しての呑み会の席だった。
初めて彼に会ったときの印象は,口数が少なく,ちょっと神経質そうだな,といった感じだった。
全身ファストファッションに身を包み,とくにオシャレに気を使っているタイプではなかったが,清潔感はありセンスが悪いという訳でもなかった。
友人を交えて遊んでいるうちに,お互いの距離が縮まっていくのがわかった。
いつ頃かは覚えていないが,誠実で何事にも一生懸命な彼を意識していたのはわかっていた。
彼が私を意識しているのも気付いていた。
ある日,彼が交際を申し込んできたとき,私は迷うことなくすぐに返事をした。
一緒に過ごす時間はとても大切にしてもらい,私は幸せだった。
二人で旅行にも行った。
贅沢はしなかったが,頻繁に外食にも行った。
彼といるだけで私は本当に幸せだった。
そしてプロポーズされたときも迷うことなくOKした。
結婚後すぐに子どもがほしかったが,なかなか子どもが授からないことがストレスで,三十五歳を過ぎた頃から不妊治療に通うことを考えていた。
三十八歳になり,ようやく妊娠し出産したときは,これ以上の幸せはないと思った。
出産後,もう一人欲しかったが欲張るのはよくないと思い自然に任せることにした。
結果として第二子を授かることはなかったが,娘がいるだけでも毎日幸せを感じた。
娘は運動神経がよく,親ばかと言われてしまうのはわかっているのだが同じ年頃の子どもたちより足が速く,鉄棒や縄跳びも誰よりも上手で自慢の娘だった。
娘の誕生日には家族でディズニーリゾートのホテルに宿泊し,二日間かけてディズニーランドとディズニーシーを周るのが,わが家の一大イベントとなっていた。
そんな娘の成長が嬉しく,ちょっとしたこともすべてノートに記録した。
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