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お風呂には妖精が住んでいる。
「どこのお風呂に?」
って聞くの?
全部。人が住んでいる家のお風呂にはどこでも、妖精が住んでいるんだ。一つのお風呂にひとりずつ。
「見たことないよ。」
って言うの?
そう。君は正しい。お風呂の妖精は誰にも見えない。産まれたての赤ちゃんにも、動物にも、お年寄りにだって見えない。百パーセント。例外はなし。残念。
見えない君に僕たちを紹介するよ。
僕たちは人間みたいに皆、ひとりひとり顔も違うし髪の色も違う。背の高さも、体つきも違う。
肝心の性格もね。
でも僕たちの望みは皆、同じ。
「お風呂で気持ちよくなってほしい」
っていうことだ。
だからさ…、疲れたり、涙が出ちゃうとき、寂しいときには、お風呂においで。
僕たちがいつでも待っているから。
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