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「はぅっ……ううっ……あぅっ…」
「………気持ちいい?」
下方からブチュズチュという粘膜が絡む音と要の声が聞こえてきて、斗羽はこくこくと頷いた。
ベッドに仰向けになった要の身体を跨いだ斗羽は、下から彼の怒張に突き上げられていた。
いつまでこんな事を繰り返すつもりなんだろうか。
もう一人の自分が頭のどこかでこの現状を冷たい眼差しで見つめている。
あの日、斗羽はなし崩しのように要に抱かれてしまった。
酔っていたとはいえ、事後は酷い罪悪感と後悔に襲われてひたすら苦しくて辛かった。
しかし、再び現れた要に誘惑されてまたなし崩しに抱かれて、気づいてしまったのだ。
誰かと肌を重ねている間は色んな事を忘れられる事に。
辛い事、苦しい事、悩み事、不安までも…。
それ以来、斗羽はまるで癖のように要とのセックスに溺れるようになってしまっていた。
要はいつも優しく斗羽を慰めると、巧みな淫戯と言葉で蕩かせてくる。
気持ち良さの中に溺れている間は、辛い出来事や不安を掻き消してくれた。
要とのセックスは、例えるならそう、まるで麻薬のようだ。
一度味わってしまったら逃れられない蜜の味を斗羽に教えこみ、その甘い蜜の虜にしていく。
今日も、彼に会うまでは酷い罪悪感に駆られて暗い気持ちだったのにも関わらず、「目隠しをしてしまえば誰に抱かれているかわからないだろう?」と論され、今に至る。
視界を塞がれるのは少し怖かったが、要の言う通り、罪悪感はすっかり消えていた。
「もう少し、動けないかな?これじゃあ少しもどかしい」
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