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「ん…んっ、は…」
電気もついていない玄関で淫らな音と荒く吐く息遣いだけが響いている。
暗闇でよく見えないが、斗羽の股間には矢田の顔が埋まっていた。
どうしてこんな事になっているかとかそんな理由なんてもうどうでもよくて、斗羽は欲するままに快楽に身を委ねていた。
「もっとして欲しい?」
矢田に囁かれて、斗羽は素直に頷いた。
頭も身体も火がついたみたいに熱くて、どうにかなってしまいそうだった。
指先が唇が声が体温が、矢田のどこもかしこもが蠱惑的で斗羽を煽り立ててくる。
もっとして欲しい。
触って欲しい。
そんなあからさまな欲情が次から次に湧き上がってくるのだ。
矢田の口淫は巧みで、まるで斗羽の感じる場所をを把握しているかのように的確だった。
玄関先だということも忘れて嬌声をあげてしまうほどに。
横から咥えられねっとりと舌を這わされると丸みを帯びた先端を音を立てて吸われる。
「んんっ…んんあ」
斗羽は床に爪を立てながら、覚えのある感覚に身を震わせた。
自然と腰が浮き上がり、下腹部が波打つ。
「あ……もう……はぁ…ああっ」
限界を告げると、突然矢田の口淫が激しくなった。
手淫も加わり濡れた蜜茎を絶妙な加減で扱かれる。
舌を手を酷使され、欲望を吐き出すことを促されて斗羽はたまらずに腰を突き上げた。
「んんっ…はっ…ああっ、あああん」
夢中になって矢田の唇に腰を押し付けながら、ビクビクと背中を震わせると、二、三度痙攣して精を吐き出した。
「今日はここまでな」
残滓まで吸い尽くされて息も絶え絶えになっていると、屹立から唇を離された。
ようやく慣れてきた視界の中にいやらしいほど濡れた性器が浮かび上がって、今更ながら恥ずかしくなってくる。
「気持ちよかったか?」
妖しげな笑みを浮かべながら問われて、斗羽は小さく頷いた。
今更否定しても何の説得力もないだろう。
自分からあんなに擦り付けてねだっていたのだから。
矢田はフッと笑うと斗羽の身体に重なるようにのし掛かってきた。
額同士がくっつくほど整った顔が間近にあって心臓が跳ね上がる。
「斗羽が俺の事をもっと知ってくれたら、もっと凄いことをしてやるよ」
矢田はそう言うと、開いた斗羽の唇にキスを落とした。
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