メランコリーなマゾヒスト

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斗羽の視線に気づいた矢田がコーヒーを置き、身体をこちらに向けた。 相変わらずかっこよくて男前だ。 パーツがくっきりとしてるのに彫りが深くて男らしい。 ラフに纏めただけな黒髪も様になっているし、整えられた髭も似合っている。 こんな人が恋人だなんて未だに信じられない時がある。 フッと笑った矢田が斗羽の耳元に唇を寄せた。 「そんなにじっと見られると……したくなるだろ」 甘く囁かれてカッと顔が熱くなる。 「そんなつもりじゃ…」 瞳を伏せるとグイと肩を引き寄せられた。 「したくない?俺はすごくしたいけど」
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