嘘つきなマゾヒスト

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二度、三度とぬるいグリセリン液を体内に入れられると、今度は凄まじい排泄感に襲われはじめた。 「あ…あ…いや…トイレっ…トイレ行きたいっ…」 矢田の手前、みっともない姿を曝してしまいたくなくて必死に訴えるが彼は無情なほど冷たい眼差しで斗羽を見据えるばかりだ。 我慢できない排泄欲求に冷や汗が止まらなくなり、酷い吐き気まで込み上げてくる。 斗羽はボロボロと涙をこぼしながら必死に訴えた。 「あ…ああぁっで…出ちゃ…っくぁ」 「だめだ、まだ出すな」 悲痛な叫びも虚しく、矢田の体躯で押さえつけられる。 「やっ…やっ…おねが…んんんんっっ!!」 手のひらに爪が食い込むほど握り締めると、斗羽は身体を強張らせた。 ここまで追い詰められられる行為をされたのはあの日以来だ。 音成にクスコで抉じ開けられて淫具を挿入されて、強制的に快楽を味わわされた。 あのときも凄まじい羞恥と快楽責めに激しく追い詰められたがそんなもの比べ物にならない。 この強制的に排泄を促す行為は精神的にも肉体的にも酷い苦痛しか感じない。 「だめ、だめ、だめっっ!!!!でる…もう出ちゃう…もう……っ…ゆ…許して……っ」 「許してほしいならさっきの言葉を撤回しろ」 泣きわめく顎を捉えられ、獰猛な眼差しで射抜かれる。 「俺がほしいと言え」 黒目がちな瞳が大きく見開かれる。 「それがセーフワードだ」
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