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ふっと意識が覚醒する。
ゆっくりと瞼を開けると、そこは寝室だった。
ヴィンテージ感漂うセンスのいいインテリアをぼんやりと眺めながら肌触りのいい枕に顔を埋める。
(どうして矢田さんの部屋にいるんだっけ…)
微睡む意識の中、宙を仰いでいるとシーツからふわりとアロマの香りが広がった。
その香りにぎくりとして斗羽は身体を強張らせた。
一瞬、ここで何があったのか忘れていた。
意識を失うまで行われていた悲惨なプレイの数々を思い出して身体がガクガクと震え出しはじめる。
いや、あれはもはやプレイなどではない。
━━凌辱だ。
フィストファックまで至らなかったものの、グリセリン液で直腸の奥まで洗われ強制的に排泄させられた。
どんなに泣きわめいても、許しを請うても行為は続けられた。
「言え、セーフワードを」
酷い羞恥と屈辱の中、怒りに満ちた矢田に何度も強要された事を思い出し目の前が滲みだす。
セーフワードは最後まで口にしなかった。
精神的にも肉体的にも何度も挫かれそうになったが、何とか堪えてみせた。
これで…良かったんだろうか。
矢田の幸せを想い、覚悟を決めて挑んだはずなのに本当にこれで良かったのかと思ってしまう。
貫いた事は正しかったのだろうか。
自分に嘘をついてまで。
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