その1

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力の弱いカガミが何かしでかしたとしても実際の所大したことは無いのだが、念のため釘をさしておく事にする。 「あんまり、馬鹿な事ばかり言っていると、校庭の真ん中に埋めるぞ。」 現在登校中なので丁度いいと言い添えると青くなりながら、ガタガタと震え始める。 「今の時期は、サッカーの授業だから、人間に踏んでもらえばお前も少しはマシになるだろう?」 そうたたみかけるように言うとついには俺の前に出て土下座をしやがった。 無駄にウザい。 犬神を人の往来の激しい交差点に埋めると呪力が増すと言われているがそれは蛇神にも当てはまる。 が、かなりの苦痛を伴うらしく、カガミは絶対に嫌だと今にも泣きそうになっている。 無駄に整った顔をゆがめられると、こちらも罪悪感がわく。 「もういいから……。ほら、邪魔になるから、蛇型になって壺に戻れ。」 さらに泣きそうになりながら、嫌々と首を横に振るカガミに溜息をつきながら 「じゃあ、俺の腕にでも巻きついとけよ。」 右手で左手を指さしながら言うと、ぱああとても効果音が付きそうな笑顔を浮かべた後、蛇に戻っていそいそと俺の二の腕に巻き付いた。 「お、俺、必ず伊織(いおり)の役に立つから!!だから、ずっと一緒に居ろよ。」     
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