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その2
「うわぁ、小さいなあ。可愛い。すげー可愛い。」
親戚のお姉さんが赤ちゃんを産んだと言うので家族でお祝を持ってお邪魔する事になった。
一般に床上げも済まないお家へ行く事は非常識なのかも知れないが、自分達の一族の場合そうも言ってられない。
生まれてくるのは赤子だけではないのだから。
最近では一族の女であったとしても生まれる事が少なくなってきた長縄が生まれたらしい。
放っておくと逆に一族がトウビョウに呪われてしまうため生まれてきたトウビョウは厳重に管理される。
憑く人間との相性もあるため、こうやって面通しが必要になってくるのだ。
人間の赤ちゃんに挨拶とお祝を言った後、別室にいる蛇と対面した。
まだ、人間の形をとれない赤子の蛇たちが身を寄せ合う様にとぐろを巻いている。
六匹は紺色に近い青色をしていて、一匹だけ白い色をしている。
その白色の蛇を持ち上げてそっと撫でる。
さらさらとつるつるの中間のような手触りが気持ちいい。
と、今日もおんぶお化け状態だった、カガミの手に力が込められる。
地味に痛いので振り返った。
「何?」
「そいつ要らない。」
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