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あの不思議な雨の日から、数ヶ月が過ぎた
あれから、あの大人びた雨の妖精(勝手に名付けた)には遭遇していない
他の人が遭遇したという話も聞かない
それに、もし遭遇していても、彼に消されていたのなら、彼の噂は流れない
今日も泣きだしそうな空
「また降るのかな、あー、ゆう……」
(おっと危ない)
僕は口に手を当てた
あの日から僕は気をつけていることがある
雨の悪口を言わないこと
あの日の出来事が夢か現か怪しいけれど、悪口程度で消されてはたまらない
「あめあめふれふれ、もっとふれ!雨サイコー!」
雨の日はこんな心にもないことを叫ぶことにした
願わくば
あの大人びた雨の妖精が
「雨嫌い人間撲滅活動」
なんて物騒な活動を速やかにやめてくれますように
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