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ぐろぐろとした溶岩の中には無数の命が溶け込んでおり、その中にいれば、決して一人きりではないのである。
いろいろな命の終焉があり、無数の生涯があるのだが、全ての命は同等なのだった。
その命の吹き溜まりの中で眠りながら、イワナガは見た。
(これが葦原中国……)
不思議な形をした大地が紺碧の海に浮かんでおり、葦原中国は真に頼りない様子だ。
ただでさえ小さな葦原中国の中で、今も様々な場所で争い事が起きている。
オオヤマツミはその中で、黄金の結界に護られているからすぐに分かった。そこだけは別世界だったのである。
オオヤマツミ以外の場所では、無残に命を刈り取られた人々が無念の情を抱いて、うろうろとさ迷っていた。
戦いで負けた国の身分の高い人々や、戦場で命を落とした兵士の他に、巻き込まれて死んだ庶民もたくさんいる。
こうん、こうん。
焼けこげた村の跡。
踏み荒らされた田畑。
略奪された民家の様子。
もう光を失い、虚ろに開かれたまま閉じることのないまなざし。
かあさん、かあさんと号泣しながら焼け野原に座り込む小さな裸の子供の姿。
あちこちに骸が重なり、焼き払われた宮からは未だ黒い煙が上がる。
しいんとした集落を、鎧を纏った一団が馬にまたがり、凱旋する。勝った、戦に勝った、ここは今日から我々の国。
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