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異世界転生とかマジっすか
やっと都内に入ったか。あともう少しで到着だ。だいぶ遅くなったな……。
オレの名前は岸本和也。普通のサラリーマンだ。
会社の車で取り引き先を回っていたらすっかり遅くなってしまい、普段は一般道で戻るところを今日は高速を使うことにしたのだ。
羽田線から都心環状線に入ったその……
おいおい嘘だろ?
ヘッドライトが2つかなりのスピードで近付いてきやがった。
右は中央分離帯、左には平行して走るトラック、ブレーキをかけようにも、すぐ後ろにも車がいる。……クソッタレ、車間距離もっとあけろよ!
逆走車はもう目の前までせまっていた。
マジっすか……
ドーンという音が耳に入った瞬間、オレの人生は35年で幕を閉じたのだった。
「……本当に申し訳ない。完全にワシの責任じゃ。どうか許してはもらえぬだろうか」
気がついたらいつのまにか真っ白な空間の中にいた。目の前には恰幅のいいヒゲの爺さん。どうなってるんだなんて思うほどバカじゃない。きっとあの人は神様かなんかだろう。ということは、オレはやっぱり高速を逆走してきた車と衝突し、死んでしまったのだろう。
「どういうことか説明していただけますか?」
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