異世界転生とかマジっすか

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「本当に申し訳ないんじゃが、こればかりはどうにもならないんじゃ……。あちらの世界は、地球でいう中世ヨーロッパに近い世界でな。いわゆる剣と魔法の世界というやつじゃ。エルフやドワーフなんかもおるよ。日本人はこういうの好きじゃろ?」 「……分かりましたよ。でも、いくつかお願いがあるんですがいいですかね?」 「……結構あっさり決めたのう。もちろんじゃ、今回は完全にワシのせいじゃからな。なんでも聞いてやるぞ」 「オレが飼っているゴールデンレトリバーがいるんですけど、一緒に連れて行けませんか?たったひとりの家族なんですよ。オレが帰らなかったらあいつじゃひとりでは生きていけないでしょうから」 「ふむ、わかった。なんなら獣人として人型になれるようにしてやろうか?」 「そんなことできるんですか?! あ、でも本人に聞いてオレと行きたがってたらにしてくださいね。無理矢理連れて行くわけにもいかないので」 「よし、少し待っておれ。………………よし、行きたがっておるぞ。今からここに呼び出そう」  目の前に光の渦があらわれ、魔法陣の形を成す。光は輝きを強め、眼をあけていられないほどになり、やがて消えて行った。ひとりの女性を残して。 「ほっほっほ。服はワシからのサービスじゃ。それと言語も理解できるようにしておいたぞい。もちろん岸本殿も異世界のあらゆる国の言語を理解できるようにしておくぞ。」     
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