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「門番さん、オレ達どうしても街に入らないと困るんですよ。なんとか見逃してもらえませんか?」
「見逃すなんてできる訳ないだろ。さあ、さっさと戻って―」
「《断る》」
「―おい、今回は見逃してやるから早く入れ。他の奴には見つからないようにな」
「「ありがとう、門番さん」」
……これが神様からもらったオレの能力、拒否権だ。
今回はオレ達を見逃さないという門番の言動を否定し、拒否した。ということはつまり、見逃すという結果になるわけだ。
なんでこうなるかはオレにも分からない。神様のアレな不思議謎パワーとしか言いようがない。
ちなみに、ある程度文脈が不自然でもオレの意思の通りの結果になることをここにくるまでの間に確認した。
他にも、《拒否》したあとにこちらの要望や望む結果を言えば、それが実現することも確認した。
ノドが渇いて仕方がなかったので、ノドの渇きを《拒否》したら、いきなり潤ったたのには驚いたな。昼夜まで変えることができるなら、この能力で拒否や否定が出来ないことはなさそうだ。
この能力を自重することなく使えばそれこそ天下をとることも簡単だと思う。でもそんなことしないけどね、つまらないし。せっかく異世界に来たんだし楽しまないとね。
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