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ボクは泣いていた。
天から降り注ぐ水滴よりも大きな声で泣くと、天はボクを黙らせようとして時おり対抗してくる。
身体が冷たく、縮こまっていても温かくはならなかったほどに足裏までも濡れて、天はボクの温もりを奪って笑っているようだ。
それでもボクは泣いた。
誰も傍にいない。
誰か気付いて。
泣き過ぎて声が出なくなった。
灰色に染まる天を見詰めるのにも疲れ、目を開けているのも辛く、耳に届いていた周りの音も遠ざかり、水滴の冷たさも感じなくなってきた。
このまま、眠りにつけるかな?
そう、思った。
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