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初めは、なんだか放っておけない人だと思った。 一人では生きていけなそうな、ボーッとしてて頼りがいのなさそうな、私の好みとはちょっと離れた人。そう思った。 何だかんだ一緒にいる時間が増えてくると、私のその見立てはあながち間違っていないことがわかってきた。 ちょくちょく待ち合わせには遅刻するし、料理もまともにしないみたいだし、よく風邪をひいてくるし、何が楽しくて生きてるんだろうとこっちが疑問を持ってしまうくらい趣味もないみたいだった。 だから、なんだか放っておけなかった。 母性がくすぐられたとか、そういうのではない。 むしろ、イライラしたのだ。なぜそうも時間を浪費できるのか、自分の体にも気を配れないのか、と。 そして、イライラを解消するついでに、ほんのおせっかいのつもりで私は彼の生活に入り込んだ。
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