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ずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずり。 ずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずり。 ずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずりずり。 ずりずりずりずりずりずりずりずり。 ぷつん。 手応えが無くなった。手首の痛みは消え、手首が一気に軽くなった。紐が切れたのだ。 僕を締め付け、拘束していた禍々しい紐は僕の身から離れたのだ! 天に突き上げたガッツポーズは見事に天井に当たり僕の拳を痛めた。 さて、棺桶の中で多少の自由が効くようになった僕はこれからどのように脱出すればいいのか。 思い切り棺桶ごと倒れてやる。 倒れた衝撃でこの扉は開くかもしれないし、周りに誰かがいるなら誰かしら助けてくれるはずだ。 だが、一つだけ心配なことがある。こんな受け身も取れない状態で倒れたら僕の体はどうなってしまうのか。意識を失わなければ僕の勝ちだ。 出るためならばそんなことは気にしていられないか。 よし。やろう。倒れよう。正面は怖いから横向きに倒れよう。左肩には後で謝っておこう。 深呼吸を一つして、僕は心を決めた。 一度右に体重をかけ、その反動を使い左に全体重と勢いをのせる。 体が浮いたように感じた。 そして僕は棺桶とともに盛大に左に倒れた。
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